「続ける」を考える。アートで働く、そしてキャリアを育てるために――京都芸術大学「藝術学舎」集中講座

アートで働く!さまざまな働き方 イベント
藝術学舎 秋講座

2026年9月26日(土)・27日(日)の2日間、京都芸術大学「藝術学舎」にて、
「アートで働く!継続の力とは? 働き続けるための戦略と視点」
という集中講座を担当します。

アート、演劇、デザイン、映像、イラスト、マンガ――。

「好きなことを仕事にしたい」
「これからもアートに関わり続けたい」
「今の仕事とは別の形で、文化や芸術に携わってみたい」

そんな思いを持つ方は少なくないのではないでしょうか。
一方で、アートやクリエイティブの分野では、働き方やキャリアの形が一つではありません。
作家として活動する人もいれば、会社で働きながら創作を続ける人、フリーランスとして複数の仕事を組み合わせる人、地域活動や自主企画を通してアートに関わる人もいます。

だからこそ、今回の講座では、

「アートで働くにはどうすればいいか」だけではなく、
「どうすれば、自分らしくアートと関わり続けられるのか」

を一緒に考えていきます。


「好き」を続けるために、考えておきたいこと

アートや表現活動というと、

「才能があるか」
「どれだけ情熱を持っているか」
「どんな作品をつくるか」

といったことに目が向きがちです。もちろん、それらは大切な要素です。けれども、長く活動を続けるためには、それだけではなく、

・どのような働き方をするのか
・生活とのバランスをどう取るのか
・収入をどう確保するのか
・社会保障をどう考えるのか
・年齢やライフステージの変化にどう対応するのか
・自分の経験や強みをどう生かすのか

といった、少し現実的な視点も必要になります。「好きなことだから、無理をしてでも続ける」。それだけでは、長く続けることが難しくなる場合もあります。
だからこそ、

「続けるためには、何が必要なのか」

を考えることが大切なのだと思います。


アートとの関わり方は、一つではない

「アートの仕事をする」と聞くと、作家やアーティストとして活動する姿を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、アートとの関わり方は、それだけではありません。
たとえば、

・フリーランスとして仕事をする
・会社に勤めながら創作活動を続ける
・副業や複業としてアートに関わる
・地域で文化活動や自主企画を行う
・アートマネジメントや制作、広報などを担う
・これまでの仕事の経験を文化芸術分野で生かす

など、さまざまな形があります。「アートを仕事にする」か「趣味にする」か。

その二択ではなく、その間にも、たくさんの関わり方があります。
自分の生活や価値観、ライフステージに合わせて、その時々で距離を変えながら関わっていく。
そんな選択肢もあってよいのではないでしょうか。


キャリアは「一本道」ではない

キャリアについて考えるとき、「これまで何をしてきたか」だけではなく、「これから何を大切にしたいのか」を考えることも重要です。

転職、複業、フリーランス、学び直し、地域活動、新しい分野への挑戦。現在は、キャリアの選択肢が以前よりも広がっています。
そして、これまでの経験は、必ずしも「過去のもの」ではありません。
一見するとアートとは関係のない仕事であっても、

・人と関わってきた経験
・企画をした経験
・文章を書いた経験
・組織の中で働いた経験
・誰かをサポートしてきた経験
・マネジメントをした経験

などは、別の場所で新たな強みになることがあります。
私自身も、これまで行政や民間企業で働きながら演劇活動に参加し、その後、アートマネージャーとして多くの演劇制作や公共文化イベントに関わってきました。

現在は社会保険労務士、キャリアコンサルタントとして活動する一方、大学や専門学校でキャリアについてお話しする機会もいただいています。

振り返ってみると、これまでの仕事での経験、例えば傾聴力、カウンセリング力、状況判断力、柔軟力、マネジメント力などは、それぞれが別々のものだったわけではなく、少しずつつながりながら現在の仕事につながっているように感じます。

キャリアは、最初から一本道を決めて歩くものではないのかもしれません。


「続けられる働き方」を考える

今回の講座では、働き方や社会保障についても取り上げます。

アート分野では、フリーランスや複業、自主活動など、組織に所属しない働き方も少なくありません。その一方で、働き方によって、収入の得方や仕事上のリスク、社会保障のあり方なども変わってきます。

「やりたいこと」を実現することと、「安心して続けられること」。

この二つは、どちらか一方を選ぶものではありません。自分が大切にしたいことを守りながら、どうすれば無理なく活動を続けていけるのか。

そのために必要な知識を持っておくことも、自分のキャリアを自分で選択するための大切な準備だと思います。


自分の経験を「これから」に生かす

2日間の講座では、講義だけでなく、自己分析やワークにも取り組みます。

特に大切にしたいのが、「これまでの経験を、自分の強みとして捉え直すこと」です。アートに直接関係する経験だけが、アートの仕事に役立つわけではありません。

これまでの仕事、学び、活動、人との関わり、人生経験。その中には、自分では当たり前だと思っているけれど、他の人から見ると価値のある経験が含まれているかもしれません。

「できること」と「やりたいこと」。
「今できること」と「これからやってみたいこと」。

それぞれを整理しながら、自分に合ったアートとの関わり方を考えていきます。


キャリアは、変わっていい

人生の中では、仕事や生活環境が変わることがあります。転職することもあれば、仕事を離れることもある。
結婚、子育て、介護、病気、家族の事情などによって、これまでと同じ働き方ができなくなることもあります。
反対に、これまでとは違うことをやってみたくなることもあります。そんなとき、「一度決めたキャリアを変えてはいけない」と考える必要はありません。

立ち止まったり、方向を変えたり、少し離れたり、また戻ったり。その時々の自分に合わせて、キャリアをつくり直していくこともできるはずです。

大切なのは、最初から完璧な答えを見つけることではなく、「今の自分は、これからどうしたいのか」を考え続けることなのではないでしょうか。


「続ける」ための、小さな一歩を考える

今回の講座では、最後に「これからどうアートと関わっていくのか」を整理し、明日からできる小さな行動についても考えます。大きな目標を立てる必要はありません。

誰かに話を聞いてみる。
興味のある活動を調べてみる。
自分の経験を書き出してみる。
これまでとは違う仕事について調べてみる。
必要な制度について学んでみる。

そんな小さな一歩が、これからのキャリアを考えるきっかけになるかもしれません。

「自分は、これからどんなふうにアートと関わっていきたいのか」
「アートを仕事にする」という答えだけではなく、を考える。
その時間を、参加される皆さんと一緒につくれたらと思っています。


さいごに

アートに関わるキャリアには、決まった正解がありません。だからこそ、自分の価値観や生活、ライフステージに合わせて、

「どのくらい関わりたいのか」
「どんな働き方なら続けられるのか」
「これまでの経験をどう生かせるのか」

を考えていくことが大切です。

「作家になる」だけではない。「アートだけで生計を立てる」だけでもない。
さまざまな選択肢の中から、自分にとって無理なく、そして大切なものを守りながら、アートと関わり続ける方法を探していく。

今回の講座が、そのための一つのきっかけになればと思っています。

講座詳細

京都芸術大学「藝術学舎」

「アートで働く!継続の力とは?働き続けるための戦略と視点
――『作家になる』だけでない、多様なアートとの関わり方を学ぶ」

日時: 2026年9月26日(土)・27日(日)
形式: 遠隔(WEB)
定員: 50名
受講料: 15,000円
申込締切: 2026年9月16日(水)13:00

講座の詳細・お申し込みについては、京都芸術大学「藝術学舎」の公式ページをご確認ください。


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