近年は、リモートワークや副業など「柔軟な働き方」が広がり、会社員だけでなくフリーランスや自営業で働く方も増えてきました。
その一方で、企業側では「人材の採用や定着」が大きな課題となっています。働き方が多様化する中で、一人ひとりが安心してスキルアップし、キャリアを築ける仕組みが求められています。
そんな背景のもと、2025年からスタートしたのが 「リ・スキリング等教育訓練支援融資制度」 です。
制度のポイント
これまでは、雇用保険の被保険者のみ対象だった「教育訓練給付金」等が、この制度では フリーランスや自営業者も利用可能 です。つまり会社員でなくても、「学びなおし」を通して転職を支援してもらうことが可能となりました。
- 対象となる融資
- 教育訓練費用(受講料・教材費など)
- 教育訓練期間中の生活費
そして注目すべきは、ただの貸付ではないこと。
訓練を修了し、就職して雇用保険被保険者となり、賃金が上がった場合には、残った借入金の一部が返済免除 されます。
つまり「真剣にリスキリングに取り組み、転職した人」が報われる仕組みになっています。
返済免除の要件
返済免除を受けるには、次のすべてを満たす必要があります。
- 融資を受けた教育訓練を修了していること
- 修了後に雇用保険の被保険者として就職していること
- 就職により一定以上の賃金上昇が確認できること
この「就職+賃金上昇」がカギになります。つまり、学び直しによってスキルを高め、それが就職や収入アップという成果につながれば、制度としてもしっかり応援してくれるという仕組みです。
活用事例(イメージ)
たとえば40代で長年フリーランスとして活動してきたAさん。
ITスキルを強化して企業に転職したいと考えていましたが、学び直しにかかる受講料や生活費が不安で踏み出せませんでした。
そこで、この制度を利用して6か月間のプログラミング研修を受講。研修修了後、企業に正社員として就職し、雇用保険被保険者となり、さらに年収もアップしました。
このケースでは、要件を満たしたため借入金の一部が免除され、安心してキャリアチェンジに成功したのです。
制度活用のポイント
この制度は「融資」であり助成金ではありませんが、努力次第で返済が軽くなる点が最大の特徴です。
- 「これからの働き方に不安がある」
- 「キャリアを一度リセットして新しい分野に挑戦したい」
- 「フリーランスから就職に切り替えたい」
そんな方にとって、大きな後押しになる制度だと感じます。
おわりに
働き方が多様化するいま、自分のキャリアを守るのは会社だけではなく「自分自身」です。
この制度をきっかけに、不安を少し脇に置いて、未来に向けた学び直しに踏み出してみませんか。
詳細は厚生労働省の公式サイトに掲載されています。ぜひチェックしてみてください。
また、申請にあたりご不明な点などがある方はお気軽にご相談ください