今回は、「私的年金制度の見直し」について分かりやすくご説明いたします。
1.私的年金制度の見直し(iDeCoの加入可能年齢の引き上げ)
■ 改正の背景と狙い
現在のiDeCoは、国民年金の被保険者が原則加入可能で、老齢基礎年金やiDeCoから給付を受けていない方が対象です。しかし、働き方や年齢によって加入できる上限が異なり、分かりづらい面がありました。
■ 主な改正ポイント
今後は、働き方に関係なく「長く・分かりやすく」資産形成できる制度へ!
- 60歳以上70歳未満で、老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していない方もiDeCo加入が可能に。
- 加入者は「国民年金被保険者」だけでなく、iDeCoの運用指図者や企業型DCからiDeCoへ資産移換する人まで幅広く!
- これにより、働き方や年金制度の垣根を越え、老後の資産形成を継続できる環境が整います。
施行時期:公布から3年以内の政令で定める日
■ 制度変更後はこうなる!
これまでは60歳以降で国民年金被保険者でなくなるとiDeCoに入れなくなっていましたが、
60歳以上70歳未満でも「年金未受給」なら拠出(加入)継続OKに!
2.企業年金制度の見直し(運用の「見える化」)
■ 改正の背景と狙い
今までは、企業年金の運営情報は本人や厚生労働省には通知されますが、一般公開はされていませんでした。
加入者や将来の加入者が、運用状況を比較・分析しやすい透明な仕組みへ。
これにより、企業の説明責任(ガバナンス強化)や、より良い年金運用が期待されます。
■ 主な改正ポイント
- 厚生労働省が企業から提出された企業年金の運用状況等の一部情報を一般公開
- 加入者や企業が、他社との比較・分析が可能に
- 事業報告書や確定拠出年金の運営管理機関報告書の内容がベース
施行時期:公布から5年以内の政令で定める日
■ 公開内容(イメージ)
- 【DB(確定給付年金)】
運用の基本方針、専門人材の活用状況なども新たに追加 。公開は厚生労働省がDBごとに 。(個人情報保護にも配慮) - 【DC(確定拠出年金)】
各事業主・規約・運営管理機関ごとに公開 。全事業所が対象 。 加えて、運営管理機関等による運用改善も促進
まとめ
今回の改正で、iDeCoの加入可能年齢が実質的に引き上げられ、働き方やライフスタイルの多様化に対応できる制度になります。また、企業年金の透明性向上により、加入者が自分の年金を自ら“見て選ぶ”時代が到来します。
不明点があれば、ぜひ社労士までご相談ください!
当事務所でも年金にまつわるご相談承っておりますので、お気軽にお問合せください。