職場の熱中症対策は万全ですか?-対策の義務化

熱中症対策の義務化 お知らせ
熱中症対策の義務化

8月は一年で最も暑く、職場でも熱中症の危険が高まる時期です。毎年、多くの労働災害が熱中症によって発生し、その中には重症化や命に関わるケースもあります。

こうした現状を受け、労働安全衛生規則は改正され、令和7年(2025年)6月1日から新しいルールが施行されました。
対象となるのは、WBGT(暑さ指数)28℃以上、または気温31℃以上の環境で、1時間以上連続、または1日4時間を超える作業です。
屋外作業はもちろん、厨房、倉庫、ビニールハウスなど高温多湿の室内作業も含まれます。

改正のポイントは次の2つです。

1. 報告体制の整備と周知

熱中症の症状(めまい、吐き気、倦怠感など)を感じた本人や、異変に気づいた同僚が速やかに報告できるよう、連絡先や担当者をあらかじめ決め、関係者に周知します。

2. 重症化防止のための手順の策定と周知

症状が出た場合は、作業を中止して涼しい場所へ移動し、身体を冷却します。必要に応じて医療機関を受診し、緊急連絡網や搬送先病院の情報を事前に共有します。

現在は8月で、職場の暑さを肌で感じる季節です。今年から新ルールが適用されていますので、現場の課題を洗い出し、マニュアルや対応手順を改めて整備・周知する好機です。

具体的な取り組み例

社労士としては、次のような取り組みをおすすめします。

  • 安全衛生委員会などで現状の点検と改善策を決定
  • 社内規程や作業計画に熱中症対応を明記
  • 朝礼や研修で手順を繰り返し周知
  • 実際の対応訓練を行い、役割分担を明確化

まだまだ暑さは続きます。
熱中症は予防できる災害です。今回の改正をきっかけに、法令遵守にとどまらず、従業員が安心して働ける職場づくりを進めましょう。
今の暑さを活かし、日々の現場から改善を重ねることが、来年以降の安全な夏につながります。

下記のサイトも参考に、現場に即した対策を目指しましょう。

熱中症警戒アラート – 環境省熱中症予防情報サイト
LINEアプリを活用した熱中症特別警戒アラート・熱中症警戒アラート・暑さ指数の情報配信

参考:厚生労働省 職場における熱中症対策の強化について

タイトルとURLをコピーしました